ネバネバの正体の話

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ムチンは粘性物質の総称

 納豆はネバネバ食品の代表ですが、ネバネバは納豆だけにあるのではありません。山芋やオクラのような植物、昆布のような海草類、ウナギも卵の白身もネバネバします。このネバネバは、糖とたんぱく質が結合した物質でできています(糖タンパク質)。このネバネバ物質を総称してムチンといいます。ムチンは分子量が100万-1000万で、熱には弱い性質を持っています。納豆は、けた外れに多くのムチンを含む食品です。
 
胃が胃酸で溶けないワケ

 ムチンは食品に含まれているだけではありません。ヒトの粘膜の表面はムチンで覆われています。目も呼吸器も消化器もムチンで覆われているのです。中でも、胃は厚いムチンで覆われています。胃酸は強烈な酸性液ですが、ふつう胃は胃酸で溶けることはありません。これは胃がムチンで保護されているからなのです。
 ナットウキナーゼは酸にめっぽう弱く、pH4以下では活性がほとんどなくなってしまいます。もし、納豆にムチンがなかったなら、ナットウキナーゼの活性は胃で失われてしまうでしょう。納豆のムチンは胃液中でナットウキナーゼを保護する役割を果たしています。それでも、胃酸のためにかなりの割合でナットウキナーゼの活性は失われています。
 ナビオのナットウキナーゼ粉末には、納豆のムチンがたっぷり含まれています。納豆のムチンを粉末にする技術は、ナビオ独自の技術です。

 
納豆のムチンの構造

 納豆のムチンは、グルタミン酸(アミノ酸)がペプチド結合し、それにフラクタン(フラクト−スの多糖体)が結合した構造になっています。大豆に調味料のグルタミン酸を添加して発酵させると、粘りけが強くなります。これはムチンが余分に作られるからですが、粘りけが強くなってもナットウキナーゼがそれだけ多く含まれるわけではありません。
 
フラクタンはダイエットに効果

 グルタミン酸はよく知られていますが、フラクタンはなじみの薄い物質かも知れません。このフラクタンについて、Daubioulらはダイエット効果があることを明らかにしました。納豆のダイエット効果は、納豆菌によるだけでなくフラクタンの働きも関係しています。いつか、フラクタン・ダイエットが流行するかも知れません。

Dietary Fructans, but Not Cellulose, Decrease Triglyceride Accumulation in the Liver of Obese Zucker fa/fa Ratsなど。
 

ムチンと長寿の関係

 日本は世界一の長寿国です。日本の中では、沖縄県が一番の長寿県です。長寿には、遺伝・医療制度・気候・栄養など、さまざまな要素が関係しています。栄養(食品)と長寿はいくぶんかは関係しているでしょうが、それだけで長寿を説明するには無理があります。無理を承知で、日本の長寿と沖縄県の長寿を説明するならば、ムチンはかなり有力です。
 日本人の食生活では、他国と較べてムチンを含む食品が明らかに多く摂られています。納豆の他、里芋、山芋、オクラ、モロヘイヤ、レンコン、ナメコ、昆布、もずく・・・。これらは、ムチンを多く含む食品です。こうしてみると、日本ほどムチン含有食品を多量に摂取している国はありません。そして、沖縄の食生活ではムチンが多く摂られています。昆布の消費量も沖縄県が第1位です。
 
ムチンの粘膜保護作用

  粘膜がムチンで覆われていることは、上に書きました。ではムチンを含む食品を食べると、粘膜保護作用は強まるのでしょうか?かなり確実なのは、胃の粘膜保護です。ムチンは胃炎や胃潰瘍の予防効果が期待できます。呼吸器の粘膜に作用するなら、風邪の予防にもなるでしょう。納豆が花粉症の症状を改善するといわれるのも、ムチンの粘膜保護作用が期待されているからです。粘膜が保護されれば、アレルギー症状の予防や改善に役立つかも知れません。ムチンは涙の成分でもありますから、目にもいい成分といえるでしょう。
 もっとも、食品として摂取されたムチンにどの程度の効果があるのかは、よくわかりません。ムチンは高分子物質なので、そのままの形で吸収されることはありません。ムチンの粘膜保護作用は、あるかも知れない程度に考えた方がいいでしょう。
 
ムチンは強精剤?

 昔から、「山芋や納豆には強精作用がある」と言われてきました。同じく、強精作用があると信じられてきたものに、ウナギがあります。山芋と納豆とウナギ。これらに共通するものは、ネバネバのムチンです。ネバネバの食品には強精作用があると考えられたようです。でも、実はムチンは加熱によって変質します。加熱して食べるウナギに強精作用があるとすると、それはムチンのためではなくてビタミンなどのためではないかと考えられます。
 では、ムチンに強精作用があるというのは、ほんとうでしょうか?ムチン食品に強精作用があると信じられるようになった理由を推測してみましょう。
 ムチンは特殊な物質でできているわけではありません。したがって、ネバネバの中の何かある物質によって、強精作用がもたらされるとは考えられません。そこで考えられるのは、グルタミン酸。ムチンの天然グルタミン酸は良質のたんぱく質です。天然グルタミン酸によって、細胞が若返り肌つやもよくなります。そのために、強精剤のイメージが生まれてきたのではないかと考えられます。ムチンにはたんぱく質の吸収を促進する作用もあります。
 ムチンは強精作用のある食品というよりも、若さ維持効果のある食品といった方がよいでしょう。日本人が実際の年齢より若く見られることが多いのも、世界一長寿なのも、ムチン食品のお陰かも知れません。
 
ムチンと血液

 ムチンにはたんぱく質の吸収を促進する働きがあります。たんぱく質であるナットウキナーゼの吸収に、納豆のムチンは役立っていると考えられます。
 このほか、ムチンには血糖値の上昇を抑制する作用や、コレステロール値を低下させる作用のあることも、知られています。
 
ムチンとカルシウム吸収

 納豆のムチンは、胃を通過して腸に達します。腸に達したムチンは、カルシウムの吸収を促進する作用があります。このことに注目した大手メーカーさんが、ムチン(ポリグルタミン酸)の商品を開発しました。この商品は特定保健食品の許可を得ています。
 大手メーカーさんの商品と納豆。どちらが骨を強くするのでしょうか?どちらも効果があるでしょうが、やはり納豆の方が一枚上手。納豆には、ポリグルタミン酸とビタミンKの両方が含まれていて、骨の形成を強力にサポートします。納豆って、すごいですね。
 
納豆で頭がよくなる?

 ♪さかな、さかな、さかな、魚を食べると、頭がよくなる〜♪
この音楽をスーパーマーケットで毎日聞いていると、聞いているだけで頭がよくなる感じがします?
でも、魚を食べるだけで頭がよくなるのなら、苦労はしなくてすむでしょう。
納豆も同じで、納豆を食べるだけでは頭はよくなりません。
では、納豆と頭は全く無関係かというと、そういうわけでもありません。
世界最年少で高校卒業・大学入学・大学卒業の3つのギネス記録を持っているのは、日系アメリカ人のマイケル・カーニさんです。このカーニさん、大の納豆好きでも知られています。
カーニさんの頭の良さは納豆を食べたからではありませんが、
納豆には頭の働きに必要なグルタミン酸が含まれています。
グルタミン酸は重要な神経伝達物質で、脳の働きにとっては不可欠な物質です。
カーニさんは、納豆のムチンから天然グルタミン酸を摂取していたから、
脳を活発に働かせることができたのかも知れません。
納豆のムチンはボケ防止に役立つ可能性があります。
 
ムチンから作られた納豆樹脂

 九州大学大学院農学研究院の原敏夫先生は、納豆のムチンに放射線を照射することによって、新しい樹脂を開発しました。
 この樹脂は1グラムで5キロもの水を吸収することができ、バクテリアによって分解される自然にやさしい樹脂です。砂漠の緑化などに威力を発揮することが期待されています。
 納豆菌のけた外れのムチン産生能は、人の健康だけでなく、地球の健康にも役立つかも知れません。
 
ナビオのナットウキナーゼ・サプリ、ナトフェミン

ナビオは独自の技術で、ムチンによって保護されたナットウキナーゼ粉末を製造しています。
納豆のネバネバをサプリ製品にできるのは、ナビオだけです。
しかし、その量は納豆に較べると微量です。
ムチンを栄養として摂取したいなら、生の納豆が効果的です。
 
 

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